「畑の肉」を食卓に 2016.02.03 wed

節分の豆まきでもおなじみの大豆。豆腐や油揚げ、納豆やおからなど、さまざまな大豆製品がありますね。大豆は、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄分、食物繊維を含みます。肥満予防や悪玉コレステロールを低下させる「大豆サポニン」や、更年期障害や骨粗鬆症予防にも役立つ「大豆イソフラボン」などのポリフェノールも。
そして、肉や魚と同様に、良質なたんぱく質を含んでいることから『畑の肉』とも呼ばれています。たんぱく質は血液や筋肉、皮膚や髪の毛、体のあらゆる臓器つくるための大切な栄養素です。

良質なたんぱく質とは、人の体が必要とするアミノ酸をバランスよく含んでいるものをいいます。たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成され、そのうち、体内で合成出来ない9種類を「必須アミノ酸」といい、食品から摂取する必要があります。食品中の必須アミノ酸のバランスを評価したものを『アミノ酸スコア』といい、100点満点で評価されます。
すなわち、アミノ酸スコアが100の食品は良質なたんぱく質といい、肉や魚をはじめ、卵、牛乳、そして大豆製品(豆腐や納豆)がそれにあたります。

では、アミノ酸スコアの高い肉を食べていればいいのでは?というと、そうではありません。肉からのたんぱく質の摂取は、脂肪もセットになります。「飽和脂肪酸」である肉の脂を摂りすぎると、血液の粘度が増し、中性脂肪・コレステロールの増加につながって、生活習慣病を招いてしまいます。
肉の中でも、牛・豚・鶏、そしてさまざまな部位を。魚であれば、青魚・白身魚と、色々な食材からバランスよく食べることが大切です。

そして、食の西洋化やファーストフードの普及により、魚よりも肉の摂取量が多くなっている近年。魚を意識して食べるということももちろんですが、“いつもの肉料理を大豆製品に置きかえる”という考えもあると尚よいでしょう。煮豆や冷奴、お味噌汁とサブメニューになりがちですが、工夫次第でメインのおかずにすることもできます。
お肉が好きという旦那様には、ハンバーグやキーマカレーなどに使う挽肉の半量を、豆腐やおからに置きかえてみるのも。ホイコーローの豚肉を、厚揚げに変えるのもおすすめです。また、油揚げの上にたっぷりの野菜とチーズをのせてピザ風に焼くと、ボリュームのあるおかずになります。

和食料理を心がけることで、大豆製品を積極的に摂ることが出来ますが、味付け次第で洋食や中華料理にも取り入れることが出来ます。
料理の工夫もそうですが、朝ごはんは焼き魚、昼にお肉を食べたら、夜は大豆製品をメインに!というように、1日を通してバランスのよい献立をマメ(豆)に心がけるようにしましょう。

参考レシピ

亜鉛 … 免疫力アップ、糖尿病予防、疲労解消

セレン … 精子の形成や老化・がん予防

マンガン … 骨の形成、糖質・脂質の代謝

ビタミンE … 抗酸化作用、血行促進効果

ビタミンB1 … 疲労回復、スタミナ増強

ビタミンB2 … スタミナ増強、過酸化物質を除去

ビタミンC … 免疫力を高める、抗酸化作用

アルギニン … 精子数や精子の運動率を上げる、子宮内膜を厚くする

アスパラギン酸 … 疲労回復や利尿作用

ムコ多糖類 … 疲労回復や滋養強壮

クエン酸 … 疲労回復、スタミナ・食欲増進

執筆者

緑川 鮎香

管理栄養士・フードコーディネーター・オリーブオイルジュニアソムリエ


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