ザガーロの食事の影響と代謝について
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浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
健康成人に本剤2.5mgを食後単回経口投与したときの血清中デュタステリドの薬物動態パラメータを以下の表に示す。食後投与の薬物動態パラメータは空腹時投与と比べて若干変化し、食後投与のAUC0-∞は空腹時投与よりもわずか(85.39%)に減少した。なお、この変化は臨床上影響を与えるものではないと考えられた。※毎日服用するお薬ですので単回投与でのこの程度の誤差であればほとんど影響はないかと思われます。食事は気にせず服用しても問題ありません。
デュタステリド2.5mg投与時の薬物動態に対する食事の影響
投与条件 | 空腹時投与 | 食後投与 |
---|---|---|
AUC0-∞ (ng・hr/mL) | 2573.1 ± 795.6 | 2197.1 ± 632.5 |
Cmax (ng/mL) | 27.26 ± 7.64 | 20.67 ± 4.93 |
Tmax (hr) | 2.17 ± 0.75 | 3.50 ± 1.64 |
T1/2 (hr) | 156.10 ± 22.32 | 129.60 ± 21.97 |
AUC0-∞:無限時間までの血漿中濃度・時間曲線下面積
Cmax:最高血漿中濃度
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
T1/2:血漿中濃度半減期
代謝部位及び代謝経路
代謝部位:デュタステリドは主に肝代謝によって消失すると考えられる。
代謝経路:<外国人のデータ>前立腺肥大症患者にデュタステリド0.5mg を1 日1 回反復経口投与したとき、主代謝物として1,2-二水素化体、4'-水酸化体及び6-水酸化体が検出された。
代謝に関与する酵素(CYP450等)の分子種
In vitro 試験において、デュタステリドはCYP3A4/CYP3A5 で水酸化されたが、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6 及び2E1 では代謝されなかった。また、in vitro 試験において、本薬の酸化的代謝はCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾールで阻害された。本剤0.05mg、0.5mg 及び2.5mg を反復経口投与した際に、6-水酸化体及び4'-水酸化体への代謝に飽和はみられないものの、1,2-二水素化体への代謝は血中デュタステリド濃度の増加に伴い飽和すると考えられた。本剤の1,2-二水素化体の生成に関与するCYP 分子種は不明であるが、6-水酸化体及び4'-水酸化体の生成に関与するCYP 分子種はCYP3A4/5 と考えられた。
※In vitro 試験とは?
「In vitro」訳すと「試験管内で」という意味、つまり「試験管内での試験」。もう少し詳しく説明すると、人や動物の組織、細胞を利用して試験管内にて人工的に体内と似た環境を作り出し様々な反応を調べる試験のことをいいます。このように科学の進歩により、動物愛護はもちろん、時間短縮、経費削減にもつながるため「In vitro 試験」のように動物実験からの代替試験が推奨されています。
つまりザガーロであるデュタステリドは主にCYP3A4で代謝されるということです。よってCYP3A4を阻害する薬と併用することで血中濃度の上昇、半減期の長期化につながる可能性があるので当然のことながら副作用の発現頻度も高くなるので注意が必要です。ここでいう注意とは併用禁忌ではないので注意して服用すれば併用は可能です。ザガーロの資料にもこれら因子による血中濃度の変化はDHT濃度の変化に影響を及ぼさないと考えられる。と記されていることからAGA治療効果にも影響はないと考えてよいでしょう。
参考までにCYP3A4を強く阻害する主なお薬を以下に記しておきます。
排泄部位及び排泄経路
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは主に代謝物として糞中に排泄される。
排泄率<外国人データ>
健康成人にデュタステリド1~20mgを単回経口投与したとき、投与後48時間以内の尿中に未変化体は検出されなかった。また健康成人に本剤0.5mgを1日1回6ヵ月以上反復経口投与したとき、糞中に約5%の未変化体が排泄され、関連物質(未変化体+代謝物)として約42%が回収された。尿中への未変化体の排泄は0.1%未満であり、関連物質の排泄も微量であった。