バイアグラの副作用について

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

バイアグラ服用後、30~40分後くらいに効果が出始め、それと同時に「顔のほてり」「頭痛」「目の充血」がありますが、これらは服用した方の約4割の方に付随する副作用ですので、あまり心配なされず、効果の発現の合図として捉えていただくとよいでしょう。
バイアグラは血管拡張作用があるのでお酒を飲んだ時のような「顔のほてり」「目の充血」がどうしても出てしまいます。また、服用後に血圧が上がると思っている人が多いですが、実際は血管拡張することにより血圧は2~3ほど下がります。

その他に「動悸」「鼻づまり」「消化不良」や、光に過敏になり色が変化して見えたりすることなどもありますが、作用している4~6時間で症状がおさまるようであれば、あまり気になされなくても大丈夫です。頭痛がひどいようであれば、ロキソニン、イブ、バファリン等の頭痛薬を使用されても問題ありませんので、一緒に使用するとよいでしょう。どうしても気になる症状がでるときは必ずご相談ください。

当院でも頭痛対策としてロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」を 1錠50円(税込)にて処方しています。

※以下の「バイアグラの副作用詳細(添付文書参照)」には血管拡張(ほてり、潮紅)の副作用発現の割合が低く記されていますが、実際には4割程度の方に顔のほてりや目の充血等の副作用はございます。添付文書の副作用発現率だけを信じてバイアグラを服用し、ほてり、潮紅、頭痛、動悸等の副作用が出ると不安を煽ってしまいかねませんのであえて書かせていただきました。

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国内データ

承認時の国内臨床試験157例において、65例(41.40%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)17例(10.83%)、頭痛17例(10.83%)、CK(CPK)上昇9例(5.73%)等であった。

上記は25mgと50mgの副作用合計となっております。以下の表は25mg、50mgの個別での副作用発現件数をバイアグラのインタビューフォームを参照に以下にまとめました。
バイアグラを服用している人は50mgの方が圧倒的に多くいらっしゃると思いますので50mgの箇所をご参考下さい。

 25mg
N=73
50mg
N=77
合計
N=150
頭痛7件
(9.6%)
13件
(16.9%)
20件
(13.3%)
ほてり・
潮紅
4件
(5.5%)
16件
(20.1%)
20件
(13.3%)
昏迷1件
(1.4%)
2件
(2.6%)
3件
(2.0%)
 25mg
N=72
50mg
N=77
合計
N=149
CK(CPK)上昇63人中6件
(9.52%)
65人中3件
(4.62%)
128人中9件
(7.03%)
γ-GTP上昇70人中0件
(0%)
74人中3件
(4.05%)
144人中3件
(2.08%)
AST(GOT)上昇72人中1件
(1.39%)
76人中2件
(2.63%)
148人中3件
(2.03%)
ALT(GPT)上昇72人中0件
(0%)
76人中2件
(2.63%)
148人中3件
(2.03%)
血清LDH上昇72人中1件
(1.39%)
76人中2件
(2.63%)
148人中3件
(2.03%)

外国データ

欧州及び米国で実施された第Ⅱ相試験及び第Ⅲ相試験823例において、261例(31.71%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)125例(15.19%)、頭痛109例(13.24%)、消化不良28例(3.40%)等であった。

 25mg
N=312
50mg
N=511
合計
N=823
ほてり・
潮紅
30例
(9.62%)
95例
(18.59%)
125例
(15.19%)
頭痛31例
(9.94%)
78例
(15.26%)
109例
(13.24%)
消化不良4例
(1.28%)
24例
(4.70%)
28例
(3.40%)
めまい6例
(1.92%)
12例
(2.35%)
18例
(2.19%)
鼻炎2例
(0.64%)
14例
(2.74%)
16例
(1.94%)
嘔気3例
(0.96%)
7例
(1.37%)
10例
(1.22%)
視覚異常1例
(0.32%)
8例
(1.57%)
9例
(1.09%)

市販後の使用成績調査データ

市販後の使用成績調査3152例(再審査終了時)において、166例(5.27%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)97例(3.08%)、頭痛34例(1.08%)、動悸13例(0.41%)等であった。

こちらもインタビューフォームにて掲載されているが、あまりに実際より副作用の頻度が低いので信憑性に欠けていると判断せざるを得ないデータです。あまり参考にされない方がよいでしょう。

外国において、薬剤との因果関係は明らかではないがPDE5阻害薬を投与中に非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION:Non-arteritic Anterior Ischemic Optic Neuropathy)が原因である視力低下や視力喪失が市販後調査にて少数報告されています。この発現のあった方の多くに「年齢50歳以上、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等」のNAIONの危険因子を有していたとのことです。
FDA(米国食品医薬品局)の調査によるとシルデナフィル服用による虚血性視神経症(I0N)は38例の報告があり、この中で21例がNAIONと診断され、ION報告の38例中29例にNAIONの危険因子の既往歴があったとのことです。
さらに、45歳以上のNAIONを発現した男性を対象とした海外で実施された研究で、PDE5阻害薬投与からその薬剤の半減期の5倍までの期間内でのNAION 発現のリスクが約2倍になることが報告されています。以上のことから以下の2点をよく理解しておく必要があります。

◆バイアグラ服用後に急激な視力低下等を生じた場合は、直ちに服用を中止し、なるべく早く眼科専門医の診断を受けること。
過去に片眼にNAIONの発現歴がある場合は、NAIONの発症のリスクが高く、バイアグラ服用により視力低下や視力喪失の可能性もあることを理解しておくこと。

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
※聞きなれない症状についてはクリックしていただければ説明が表示されますのでご参照下さい。

 1%
以上
0.1~1%
未満
0.1%未満頻度不明 *3


血管拡張(ほてり,潮紅)動悸
胸痛
頻脈
高血圧
不整脈
不完全右脚ブロック
末梢性浮腫
心筋梗塞*4
低血圧
失神




頭痛めまい
傾眠
昏迷
異常感覚
下肢痙攣
記憶力低下
興奮
緊張亢進
錯乱
思考異常
神経炎
神経過敏
神経症
不安
不眠症
無気力
 

 AST
(GOT)
増加
ALT(GPT)増加
LAP上昇
LDH増加
血中トリグリセリド増加
γ-GTP増加
血清リン脂質上昇
血中アミラーゼ増加
血中アルブミン減少
血中ビリルビン増加
総蛋白減少
 


 悪心
胃腸障害
口渇
消化不良
腹痛
おくび
胃炎
胃不快感
下痢
口唇乾燥
舌障害
白舌
腹部膨満
便秘
嘔吐
嚥下障害

尿



  陰茎痛
射精障害
朝立ちの延長
半勃起持続
勃起の延長
持続勃起
尿路感染
前立腺疾患


 鼻炎呼吸障害
鼻閉
咽頭炎
喘息
鼻出血
気道感染症
副鼻腔炎




 関節痛
筋肉痛
骨痛
背部痛
 

 発疹そう痒症
眼瞼そう痒症

脱毛症
男性型多毛症
発汗
皮膚乾燥
皮膚障害
紅斑
 

  ヘマトクリット減少、ヘマトクリット増加
ヘモグロビン減少
リンパ球減少症
リンパ球増加症

好酸球増加症
赤血球減少症
赤血球増加症
白血球増加症
 


 眼充血
結膜炎
彩視症
視覚障害
眼乾燥
眼痛
屈折障害
光視症
味覚異常
味覚消失
流涙異常
羞明
霧視
視力低下
網膜出血
網膜静脈閉塞
突発性難聴


 CK(CPK)増加
疼痛
熱感
BUN増加
インフルエンザ症候群
リンパ節症
血中ナトリウム減少
血中リン増加
体重増加
血中尿酸増加
ウロビリノーゲン陽性
尿中ブドウ糖陽性
尿中赤血球陽
尿中蛋白陽性
疲労
無力症
過敏性反応
感染症

※発現頻度は承認時の国内臨床試験、外国で実施された第II相/第III相試験、及び使用成績調査の結果に基づいている。

*3 自発報告等のため頻度不明。
*4 因果関係は明らかではないが、市販後において本剤投与後に心筋梗塞が発症したとの報告がある(「外国市販後有害事象」の項参照)。

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