バイアグラの食事の影響・血中濃度・代謝
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浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
健常成人16名にバイアグラ50mgを食後又は空腹時に服用してもらい、体内動態に及ぼす食事の影響を検討した結果が以下の通りです。
バイアグラ錠の有効成分であるシルデナフィルのTmax(最高血漿中濃度到達時間)は食後投与で3.0時間、空腹時投与で1.2時間であり、食後投与により吸収速度が明らかに減少し、Tmaxが1.8時間延長することが認められました。Cmax(最高血漿中濃度)は食後投与で149ng/mL、空腹時投与で255ng/mLであり、AUC∞はそれぞれ697.5及び806.2ng・hr/mLでした。
食後投与により空腹時に比べてCmaxは42%、AUC∞は空腹時に比べて14%減少しました。
Tmax (hr) | Cmax (ng/ml) | AUC∞ (ng・hr/ml) | T1/2 (hr) | |
---|---|---|---|---|
食後 | 3.0±0.8 | 149±55.6 | 697.5±289.4 | 3.26±0.88 |
空腹時 | 1.2±0.5 | 255±116 | 806.5±269.4 | 3.35±1.72 |
平均値±標準偏差(n=16)
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
Cmax:最高血漿中濃度
AUClast:0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
AUC∞:0時間から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
T1/2:消失半減期(血漿中濃度半減期)
シルデナフィルの血漿中濃度推移に対する食事の影響(健康成人男性、50mg 単回経口投与)
飲み方に工夫が必要
このようにバイアグラは食事後だと効果が弱まるので、飲み方に工夫が必要です。バイアグラを服用しても効果が無いと言う人の8割は食事の影響を考えず服用しているケースです。
バイアグラの成分は腸で吸収されるので、脂質の高い食事をすると腸に付着した油脂膜が吸収を妨げてしまうので有効成分を吸収できなくなるのです。ポイントは食後、時間を空けずに性行為の場合は食前40分前くらいの空腹時に飲むこと。やむなく食事後に服用する時は食事をあっさりした軽食にして食後2時間程度時間を空けてから服用することです。
(1) 単回投与
健常成人20名にシルデナフィル25,50,100及び150mg(注を単回経口投与した時のCmaxはそれぞれ105,192,425及び674ng/mLであった。AUClastはそれぞれ231,504,1148及び1977ng・hr/mLであり、投与量に比例して増加した。血漿中のシルデナフィルは終末相における消失半減期(T1/2)3.23~3.31時間で速やかに消失した。
投与量 (mg) | Tmax (hr) | Cmax (ng/ml) | AUClast (ng・hr/ml) | AUC∞ (ng・hr/ml) | T1/2 (hr) |
---|---|---|---|---|---|
25 | 0.8±0.6 | 105±62 | 231±103 | - | - |
50 | 0.9±0.4 | 192±102 | 504±202 | - | - |
100 | 0.8±0.4 | 425±147 | 1148±274 | 1190±301 | 3.31±0.81 |
150 | 0.9±0.5 | 674±239 | 1977±733 | 2044±721 | 3.23±0.73 |
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
Cmax:最高血漿中濃度
AUClast:0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
AUC∞:0時間から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
T1/2:消失半減期(血漿中濃度半減期)
(2) 連続投与
健常成人6名にシルデナフィル50及び100mg(注を1日1回7日間反復経口投与した時のCmin(投与後24時間値)は試験期間中を通して定量限界値(1ng/mL)付近であった。Tmax及びT1/2は7日間の反復投与により変化はしなかった。
(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg~50mgである。)
- 健常成人6名にシルデナフィル10,25,50,75,100及び150mg(注を単回経口投与した時の投与後48時間までの投与量に対する未変化体の累積尿中排泄率は、0.3~0.6%と僅かであり、投与量に関係なくほぼ一定の値を示した。
- 健常成人6名にシルデナフィル50又は100mg(注を1日1回7日間反復経口投与した時の投与量に対する未変化体の24時間毎の尿中排泄率は0.2~0.9%の間で推移し、単回投与時と同程度であり反復投与による変化はなかった。(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg~50mgである。)
- シルデナフィルは主として肝臓で代謝され、主に糞中に排泄されます。その主要代謝物N-脱メチル体の生成速度はCYP3A4が最も速く、次いでCYP2C9であった。
(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg~50mgである。)