AGA治療薬の副作用(性機能低下)【2,538名日本調査】

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

更新日:

AGA治療薬のフィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)では副作用として、ED(勃起不全)と性欲減退の副作用が報告されております。それぞれの薬でどれくらいの確率で性機能低下が起こるのかを調査しました。

【調査概要】

集計期間:2024年6月14日~20日
調査方法:インターネット集計
対象地域:日本全国
調査対象:
AGA発症経験のある2,538名のうち
・フィナステリドを服用した
ことがある方741人
・デュタステリドを服用した
ことがある方505人

リサーチ協力 ⇒ 株式会社ネオマーケティング

【設問】プロペシア又はプロペシアジェネリック(フィナステリド)またはザガーロ又はザガーロジェネリック(デュタステリド)を服用したことがある方にお伺いいたします。
薬の服用によって、「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はありましたか。

  • ①「勃起不全(ED)」と「性欲減退」の副作用が両方ある(あった)
  • ②「勃起不全(ED)」の副作用がある(あった)
  • ③「性欲減退」の副作用がある(あった)
  • ④「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はない(なかった)

フィナステリドによる発生率

フィナステリド(プロペシア)での「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用は、64.4%(741人中477人)とおおよそ3人に2人の割合で性機能低下の副作用がある(あった)と回答されました。内訳は、「勃起不全(ED)がある(あった)」と回答した人は23.1%(741人中171人)、「性欲減退の副作用がある(あった)」と回答した人は13.6%(741人中101人)、「両方あった」と回答した人は、27.7%(741人中205人)でした。

「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はない(なかった)と回答した人は、35.6%(741人中264人)でした。

年齢別に見てみると、特に30代の若い世代で、副作用があったと回答した人の割合が多く、30-34歳では76.9%が性機能低下の副作用があると回答し、35-39歳では72.9%、40-44歳では59.3%、45-49歳では57.9%、50ー54歳46.9%、55-59歳では48.1%でした。

[プロペシア又はプロペシアジェネリック(フィナステリド)の内服]

  • 1位:
    ④「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はない(なかった):35.6%
  • 2位:
    ①「勃起不全(ED)」と「性欲減退」の副作用が両方ある(あった):27.7%
  • 3位:
    ③「勃起不全(ED)」の副作用がある(あった):23.1%
  • 4位:
    ②「性欲減退」の副作用がある(あった):13.6%
  • ■「勃起不全(ED)」又は「性欲減退」の副作用があった合計 64.4%

    フィナス
    テリド
    n 「勃起不全
    (ED)」

    「性欲減退」
    の副作用が
    両方ある
    (あった)
    「勃起不全
    (ED)」
    の副作用
    がある
    (あった)
    「性欲減退」
    の副作用
    がある
    (あった)
    「勃起不全
    (ED)」

    「性欲減退」
    の副作用
    はない
    (なかった)
    副作用が
    あった計
    全体 741人 205人 171人 101人 264人 477人
    100.0% 27.7% 23.1% 13.6% 35.6% 64.4%


    30~
    34歳
    182人 64人 54人 22人 42人 140人
    100.0% 35.2% 29.7% 12.1% 23.1% 76.9%
    35~
    39歳
    170人 54人 42人 28人 46人 124人
    100.0% 31.8% 24.7% 16.5% 27.1% 72.9%
    40~
    44歳
    140人 36人 33人 14人 57人 83人
    100.0% 25.7% 23.6% 10.0% 40.7% 59.3%
    45~
    49歳
    114人 23人 26人 17人 48人 66人
    100.0% 20.2% 22.8% 14.9% 42.1% 57.9%
    50~
    54歳
    81人 14人 10人 14人 43人 38人
    100.0% 17.3% 12.3% 17.3% 53.1% 46.9%
    55~
    59歳
    54人 14人 6人 6人 28人 26人
    100.0% 25.9% 11.1% 11.1% 51.9% 48.1%

    デュタステリドによる発生率

    [ザガーロ又はザガーロジェネリック(デュタステリド)の内服]

    デュタステリド(ザガーロ)での「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用は、73.3%(505人中370人)とフィナステリドより高い割合で性機能低下の副作用がある(あった)と回答されました。内訳は、「勃起不全(ED)がある(あった)」と回答した人は32.1%(505人中162人)、「性欲減退の副作用がある(あった)」と回答した人は17.4%(505人中88人)、「両方あった」と回答した人は、23.8%(505人中120人)でした。

    また「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はない(なかった)と回答した人は、26.7%(505人中135人)でした。

  • 1位:
    ③「勃起不全(ED)」の副作用がある(あった):32.1%
  • 2位:
    ④「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用はない(なかった):26.7%
  • 3位:
    ①「勃起不全(ED)」と「性欲減退」の副作用が両方ある(あった):23.8%
  • 4位:
    ②「性欲減退」の副作用がある(あった):17.4%
  • 年齢別に見てみると、やはり若い世代で副作用の発生率が高く、30-34歳では79.9%と約8割が性機能低下の副作用があると回答し、35-39歳では76.9%、40-44歳では72.3%、45-49歳では70.6%、50ー54歳47.2%、55-59歳では64.3%でした。

    「勃起不全(ED)」又は「性欲減退」の副作用があった合計 73.3%

    デュタス
    テリド
    n 「勃起不全
    (ED)」

    「性欲減退」
    の副作用が
    両方ある
    (あった)
    「勃起不全
    (ED)」
    の副作用
    がある
    (あった)
    「性欲減退」
    の副作用
    がある
    (あった)
    「勃起不全
    (ED)」

    「性欲減退」
    の副作用
    はない
    (なかった)
    副作用が
    あった計
    全体 505人 120人 162人 88人 135人 370人
    100.0% 23.8% 32.1% 17.4% 26.7% 73.3%


    30~
    34歳
    149人 41人 55人 23人 30人 119人
    100.0% 27.5% 36.9% 15.4% 20.1% 79.9%
    35~
    39歳
    130人 30人 40人 30人 30人 100人
    100.0% 23.1% 30.8% 23.1% 23.1% 76.9%
    40~
    44歳
    94人 18人 36人 14人 26人 68人
    100.0% 19.1% 38.3% 14.9% 27.7% 72.3%
    45~
    49歳
    68人 16人 20人 12人 20人 48人
    100.0% 23.5% 29.4% 17.6% 29.4% 70.6%
    50~
    54歳
    36人 9人 5人 3人 19人 17人
    100.0% 25.0% 13.9% 8.3% 52.8% 47.2%
    55~
    59歳
    28人 6人 6人 6人 10人 18人
    100.0% 21.4% 21.4% 21.4% 35.7% 64.3%

    フィナステリドと比較してみると、デュタステリドの方が「勃起不全(ED)」や「性欲減退」の副作用が起こりやすいという結果になりました。



    それぞれの薬の添付文章の副作用率は、フィナステリド(プロペシア)では、リビトー(性欲)減退1.1%、勃起機能不全(ED)0.7%とされており、デュタステリド(ザガーロ)0.5mgの日本人120名長期試験では、リビトー(性欲)減退8%、勃起機能不全(ED)11%と報告されています。

    ⇒ プロペシアの副作用
    ⇒ ザガーロの副作用

    今回の調査結果と大きな差がありますが、薄毛(AGA)が発症・進行する年齢と勃起不全(ED)が発症・進行する年齢はほぼ同時期のため、AGA薬の服用中に加齢によるEDを発症し、AGA治療薬の副作用と考えてしまうケースもアンケート調査では多いと考えられます。

    フィナステリドやデュタステリドの服用中に薬の副作用又は年齢によるED症状がでた場合でも、バイアグラ、レビトラ、シアリスのED治療薬の併用が可能ですので、中折れなどED症状がある場合には併用するといいでしょう。


    ED発症率詳細⇒ 年代別のED有病者数調査2022年
    AGA発症率詳細⇒ 日本人6000人のうす毛(AGA)発症率2024年

    AGA治療薬による「ED(勃起不全)と「性欲減退」の副作用は、フィナステリドでは64.4%、デュタステリドでは73.3%の人が副作用があると回答し、デュタステリドの方が副作用発生率が高い結果となりました。

    特に若い世代の人に起こりやすい傾向にあり、30-34歳のAGA治療薬による「ED(勃起不全)と「性欲減退」の副作用は、フィナステリド76.9%、デュタステリド79.9%と非常に高い確率で起こるという調査結果でしたが、AGA(薄毛)を発症する年齢とED(勃起不全)や性欲減退が起こる年齢はほぼ同じのため、加齢による性機能低下をAGA治療薬の副作用と考えてしまうケースも多いでしょう。

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