バイアグラの肺高血圧症への効果
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浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
ED治療薬として絶大な支持を集めるバイアグラですが、実はそのポテンシャルはEDに収まりません。2006年に、「新生児肺高血圧症」への効果があると認められました。
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新生児肺高血圧症とは、正期産児あるいは過期産児に生じる肺血管構造の障害のこと。胎盤呼吸から肺呼吸への切り替えがうまくいかず、肺への血の巡りが悪くなって低酸素症を引き起こす病です。分かりやすく言うと、どこにいても高山病のような症状がずっと続く病といったイメージです。人工肺を使用するくらいしか治療法が見つかっていない難病でもあります。
そこに新たな救世主として注目を集めたのがバイアグラでした。アメリカの大学により、新生児肺高血圧症に対して、特に重症の子どもにバイアグラの有用性が示唆される結果が報告されたのです。バイアグラの有効成分であるシルデナフィルには、選択的に肺血管抵抗を下げて肺への血流をよくする効果があるため、このような結果が得られたのだと推測できます。
そして2008年には、肺動脈性肺高血圧症(日本の患者数が約6000人という肺の難病)の新薬レバチオ錠が日本で認可されましたが、実はこのレバチオ錠の有効成分はバイアグラとまったく同じシルデナフィルです。この事実からも、バイアグラの肺高血圧症への有用性が裏付けられたと言えます。
2008年3月13日のイギリスの大衆紙「デイリー・メール」には、実際に肺高血圧症の2歳児がバイアグラを服用し、病と闘っているというニュースが掲載され、話題になりました。この男の子はバイアグラ1錠を一日4回に分けて服用していたとのことで、その子の母親は、「バイアグラは高価だが、肺高血圧症の薬としてはもっとも安い部類に入る」と、その値段の安さにも触れていました。命にかかわる病気だからこそ楽な治療法である内服薬であることや、比較的安く飲み続けられることは非常に大切な要素であり、その点でもバイアグラは救世主となり得るのです。
シアリスも肺高血圧症治療薬として承認
さらにレバチオの承認の翌年2009年には長時間作用型のED治療薬のシアリス錠がアドシルカ錠に製品名を変えて肺動脈性肺高血圧症の治療薬として厚労省から製造販売承認を得て発売開始されています。こちらはレバチオ錠とは違い小児への適用はありませんが、作用機序は同じです。またシアリス錠は2014年にザルティア錠に製品名を変えて前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬として承認を得て発売開始されています。有効成分であるタダラフィルは勃起不全、肺動脈性肺高血圧症、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬として承認を得ていることになります。
このように、もともとはED治療薬として発売されたバイアグラやシアリスでしたが、発売から年を重ねるにつれ、さまざまな効果が見つかるようになりました。実際、ED以外への医学的効果も認められ、すでに治療薬として使用されているものもあります。今後も、PDE5阻害薬であるバイアグラやシアリスのその計り知れない潜在能力が注目を集めることになるかもしれません。
- 1966年 生まれ
- 1991年 日本医科大学卒業
- 1991年 日本医科大学付属病院
- 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
- 2004年10月 浜松町第一クリニック開院