ED治療薬のニセモノに要注意!

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

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ここ最近、複数院展開しているED治療を専門とする某男性クリニックにて偽造品の可能性のある上記のような海外製のED治療薬を個人輸入をして処方しているので注意が必要だ。以下のコラムにて詳細を書いているので是非とも見てほしい。
クリニックで処方されるED治療薬にも偽物!?

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バイアグラが世界的なベストセラー薬となったことで、その人気に便乗した粗悪な偽造品が大量に出回るようになりました。製造販売元である製薬会社ファイザーが2006年に行った調査では、偽バイアグラは世界69か国で販売されており、その流通量は正規品の2.5倍にも達していたと報告されています。同じ年に日本国内で押収された偽バイアグラだけでも、その数は14万錠に上りました。
その後も、バイアグラに続いてレビトラ、シアリスといった新たなED治療薬が登場すると、これらを模倣した偽造品も次々と作られ、現在も世界中で流通し続けています

参考バイアグラ‐個人輸入の半数は偽造品|薬事日報

バイアグラは保険適用外の自由診療薬のため、価格は医療機関ごとに設定されますが、日本では50mg錠が1錠あたりおおよそ1,500円前後が相場です。他のED治療薬もほぼ同程度の価格帯であり、決して安価とはいえません。そのため「少しでも安く手に入れたい」と考える人が少なくないことに目をつけたのが、偽造品を扱うグループやブローカーです。
偽造薬は成分や品質管理に費用をかけていないため非常に低コストで製造でき、本物の半額程度で売っても莫大な利益が出る――こうした構図で“ビジネス”が成立しているのです。

このような安価なED治療薬を求める人たちが最も利用しているのが、インターネット上の個人輸入代行業者です。
日本国内でED治療薬を購入するには医師の処方箋が必要ですが、医薬品医療機器等法(旧薬事法)では「個人が自己使用する薬」を海外から輸入することは認められています。そのため、ネット上には個人輸入を代行する業者が乱立しているのが現状です。
もしインターネット経由で購入するのであれば、「偽造品をつかまされるリスクが常にある」という前提を理解しておく必要があります。

2009年には、バイアグラを販売するファイザー、レビトラを販売するバイエル薬品、シアリスの日本イーライリリー、そして日本新薬の4社が合同で偽ED治療薬の実態調査を行いました。
日本国内の通販サイトと、偽造薬の販売報告があったタイの通販サイトからそれぞれ30サイト、合計60サイトを選定し、バイアグラ、レビトラ、シアリスを実際に購入。各社が真贋鑑定と成分分析を行った結果、全体の55.4%が偽造薬であることが判明しました。内訳を見ると、日本の通販サイトで購入した薬の43.6%タイのサイトで購入した薬では実に67.8%がニセモノだったのです。

その後、2016年にも同じ4社による合同調査が実施されました。この時の結果は、国内発注分の偽造品が35.6%、タイ発注分が48.0%、全体で約4割が偽造品というものでした。
2009年と比較すると割合自体はやや減少したものの、「日本国内の個人輸入代行サイト経由で購入したED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)の約3分の1が偽物だった」という事実は、非常に衝撃的と言わざるを得ません。

偽造薬の中身は千差万別です。中には「それなりに本物に近づけよう」としたのか、バイアグラに似た化学構造の物質を配合している錠剤もありますが、何が入っているのか見当もつかない怪しげな粉末を固めただけと思われるものも存在しました。
有効成分量を調べてみると、正規品より50%も多く含まれているものがある一方で、逆に40%も少ないものもあることがわかりました。どちらの場合も副作用のリスクは高く、安易な服用は重大な健康被害につながりかねません。
実際、偽造ED薬の中には血糖降下剤が混入していたケースも報告されており、服用を続ければ命に関わる可能性すらあります。

こうした偽造ED治療薬の多くは、最大の製造拠点とされる中国をはじめ、韓国、タイなどの衛生環境が劣悪な工場で作られています。中古のセメントミキサーで原料を混ぜ合わせて錠剤を成形したり、バイアグラ特有の青色を再現するためにバケツに青い塗料を溜め、出来上がった錠剤をその中に浸して着色したり、表面のツヤ出しにシンナーを使っていた例も報告されています。
当然ながら原材料の管理はずさんで、錠剤の中にゴミやホコリが混入している程度ならまだ“軽症”な方で、ハエの脚が入り込んでいたケースもあるほどです。完成した偽造薬は無造作にポリ袋に詰め込まれ、汚れた工場の片隅に山積みされたまま出荷を待つ――そのような環境で作られているのが偽ED薬の実態です。


一方で、見た目だけは非常に精巧に作られているものも少なくありません。錠剤本体、ボトル、外箱に至るまで巧妙に模倣されており、本物を見慣れていない人が一見して見分けるのは困難です。錠剤にはブランド名が正規品そっくりに刻印され、ボトルやパッケージも本物と並べなければ違いがわからないほどの出来栄えのものも存在します。


実際に、ある患者さんが「海外旅行へ行った友人からシアリスのボトルを土産にもらったが、どうせ偽物だろうから先生のところに置いていきます」と当院に持参したことがありました。錠剤の形状や色は本物とほとんど変わらず、ボトルや外箱もぱっと見では真贋の判断がつきません。しかし、よく見るとその錠剤は「100mg」と記載されたシアリスで、そもそもシアリスに100mg製剤は存在せず、最大用量は20mgまでです。つまり、その時点で偽造品と断定できます。 外箱も同様で、おそらく英語圏以外で製造されたのだと推測されますが、製造番号を示す「LOT NO.」の印字が「JOT.NO」と誤記されていました。このように一見よくできているようで、実は至るところに“粗”があるのですが、一般の方がそこまで細かく確認することはまずなく、多くの人が偽物と気づかずに服用してしまう恐れがあります。

中には、「自分は中国や韓国ではなく、アメリカから個人輸入している代行業者を利用しているから安心だ」と考えている人もいます。しかし、これまで摘発されたアジアの偽造グループの中には、一度アメリカを経由させてから日本に流通させていたケースが少なからず報告されています。

インターネットの個人輸入代行業者からED治療薬を購入すれば、確かに目先の支払い額は安く済むかもしれません。しかし、偽造品の流通がこれほど多い現状では、「安く買えたつもりが、実は偽物で効果がない」「成分の不均一や混入物で健康被害を受ける」といったリスクを背負うことになります。
その点、日本国内の医療機関で処方されるED治療薬は、厚生労働省の製造販売承認を受けた正規品のみです。安全性と有効性が確認された薬を、適切な用量・用法で使用できることを考えれば、結果的には医療機関で処方を受けたほうが、費用面でも健康面でもはるかに“安上がり”と言えるのではないでしょうか。運よく本物を手に入れられればまだしも、もし粗悪な偽造薬をつかまされれば、失うのはお金だけでなく、ご自身の健康そのものになりかねません。

ただし、近年では、医師自身が処方を目的として海外製の非正規品ED治療薬を個人輸入し、国内正規品の仕入れ価格の約10分の1という低コストで入手したうえで、それを相場より安い価格で処方し、ビジネスとしているクリニックも増えてきていますので注意が必要です。 厚生労働省は、国内で正規に流通している医薬品については医薬品医療機器等法に基づき「品質・有効性・安全性」が確認されている一方で、個人輸入された海外製医薬品にはそのような保証がなく、健康被害のリスクがあるという見解を示しています。

参照 ⇒ 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省

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