心臓病とED(勃起不全)について

浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修

更新日:

心臓病にもさまざまな疾患がありますが、主にEDとの関連性が高いのは、狭心症や心筋梗塞などの「虚血性心疾患」です。「虚血性心疾患」の総患者数は、令和5年の厚生労働省「患者調査」で147万1,000人と推計されています。

参照元 ⇒ 令和5年患者調査|厚生労働省

狭心症や心筋梗塞は、何らかの原因によって心臓に酸素を送り込んでいる冠状動脈がふさがれ、心筋が血液不足になることで起こる病気です。狭心症では一時的な虚血ですが、心筋梗塞では冠動脈に血栓がたまり、完全に血液の流れが遮断されてしまいます。放置しておくと細胞が壊死し、そのまま突然死につながるおそれがあるため、発作が起きた場合は一刻も早い処置が必要です。

冠状動脈がふさがれる原因としては、動脈硬化によって内腔が狭くなることが大きな原因の1つです。


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虚血性心疾患を引き起こす前段階として、「冠状動脈狭窄」があります。心臓の周りを囲むように存在する冠状動脈が、アテロームやプラーク(脂肪や細胞の死骸などでできた付着物)などによって狭くなり、血液の流れが悪くなった状態です。
これが進行すると、心臓に十分な血液と酸素が運ばれなくなり、虚血状態となって狭心症や心筋梗塞などにつながります。

心筋梗塞・狭心症とEDは同じメカニズム

血管性の器質性EDと虚血性心疾患は、障害が生じる血管の部位は異なるものの、いずれも動脈硬化や血流の障害によって発症します。心臓の冠状動脈で血管の詰まりが起これば、心筋梗塞・狭心症に、内頚動脈で血栓ができると脳梗塞に繋がり、陰茎動脈につながる血管で詰まりが起こればED【勃起不全】となるわけです。
血管の詰まりやすさは、動脈の太さが1つのポイントとなります。動脈硬化によって起こる血流の悪化は、体内の細い動脈から始まり、やがて太い動脈へと広がっていきます。動脈の太さは場所ごとに異なり、たとえば脳周辺では直径5~7ミリメートル、心臓周辺では3~4ミリメートルありますが、陰茎動脈では1~2ミリほどしかありません。つまり陰茎動脈は非常に細いため、動脈硬化の影響を真っ先に受けやすいといえます。

また、他の動脈は拡張したとしても15パーセント程度なのですが、陰茎動脈は勃起時になると80パーセントも拡張します。これも障害が発現しやすい理由の1つです。さらに、他の部位の動脈では血流の低下が起こっても、他の血管を介して代わりに血液を各臓器に流してくれるのですが、陰茎動脈にはその代替回路がありません。
そのため、加齢による軽度の動脈硬化によって、早い段階で症状として現れやすいのがEDといえます。

狭心症・心筋梗塞の診断歴の有無とEDの関係

前述の通り陰茎動脈が動脈硬化の影響を真っ先に受けやすいことから、狭心症・心筋梗塞の診断歴がある人はED合併率は高くなることは容易に想像できます。では、どの程度高くなるのかを調査すべく以下の通りアンケート調査を実施しました。結果、診断歴がある場合は無い場合に比べて中等度ED以上が約2倍(ある:52%、ない:26.6%)であることが判明しました。

集計期間:2021年5月7日~9日
調査方法:インターネット集計
調査対象:日本全国の40~79歳の男性 合計4,000人(5歳階級ごとに500人)
リサーチ協力 ⇒ 株式会社ネオマーケティング
  • EDではない:毎回、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 軽度ED:たいていの場合、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 中等度ED:時々、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 重度ED:毎回、性交に十分な勃起が得られない。また、維持もできない
  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
狭心症・心筋梗塞と
診断されたことがある
51 (28.5%) 35 (19.6%) 35 (19.6%) 58 (32.4%) 179 (100%)
診断されたことは無い 1,921 (50.3%) 806 (21.1%) 601 (15.7%) 493 (12.9%) 3,821 (100%)

前述の通り、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患が起こるよりも先にEDを発症するケースが多く見られます。心臓のほかにも、今やEDは全身疾患の予兆として捉えられることが増えたため、ED症状が出たら、たとえ他の症状がなくとも、一度健康診断や人間ドックを受けることが望まれます。
またEDのリスクファクターである、高血圧や肥満、高齢、喫煙、糖尿病などは、そのまま虚血性心疾患を誘発する因子でもあることを理解する必要があります。

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患では、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの「硝酸剤」や、一酸化窒素(NO)供与剤が使われることがあります。これらの薬は、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬(PDE5阻害薬)と併用すると、血圧が過度に低下するおそれがあるため、併用してはいけません。硝酸剤・NO供与剤を使用中の方は、ED治療薬を自己判断で服用しないでください。

また、現在硝酸剤の処方を受けていない場合でも、狭心症や心筋梗塞を起こしたことがある方で注意を要するのは、ED治療薬を服用した後に心臓発作が起きた場合の対処です。性行為中に胸痛や強い息苦しさなどの症状が出た場合は、「ED治療薬をいつ服用したか」を必ず救急隊や医療機関受診時に伝えてください。別の治療方法が選択される可能性があるためです。

また重要なのは、事前に心臓病の主治医にED治療薬を服用してよいか確認し、服用可能であれば、発作時の対処方法を必ずよく確認し、性行為のパートナーとそのことを共有しておくことが重要となります。発作時には、言葉を発することができなくなるためです。ED治療薬そのものが直ちに心臓発作の原因になるわけではありませんが、服用できるかどうかについては、心血管系の十分な確認が重要となります。

同じ心臓病では、不整脈の治療に使われる「アミオダロン塩酸塩」などの薬も、ED治療薬のシルデナフィル、バルデナフィルとの併用が禁止されており、現行の添付文書では、タダラフィルはアミオダロンとの併用禁忌の記載はありませんが、服用可能か医師の確認が必須となります。最近ではジェネリック医薬品が次々と販売されて、薬剤名が成分名となっていますので、注意が必要です。必ず主治医に確認しましょう。

※狭心症発作や心筋梗塞を起こしたことがある方は、治療を行っている主治医又は当院医師に確認してください。
なお、処方の可否に付きましては、お電話でもご質問をお受けしております。気になることがございましたら、一度お電話にてお問い合わせください。
浜松町第一クリニック 代表電話番号:0120-23-7722(フリーダイヤル)
【受付時間】平日:10時~20時  土曜:10時~18時  日曜・祝日:10時~16時

性行為そのものは運動ですから、心臓に負荷をかけ、虚血性心疾患を誘発することもあります。
性行為は早足で3階まで階段を登るのと同程度の運動負荷とされており、この程度の運動で極度の息切れや動悸がある場合には、性行為もリスクがあるとみなされます。


ただし一部のハイリスク群を除き、信頼関係のあるパートナーと落ち着いた環境でおこなう限りは、性行為によって発作を起こす確率はそれほど高くありません。一方、不倫などの婚外性交では、心拍数が上昇しやすいことから、発作のリスクが高まるとされています。
心疾患をもつ人は、通常とは異なる性行為には気をつける必要があるでしょう。

またバイアグラの発売後、突然の心疾患で性交中に亡くなる、いわゆる「腹上死」が増えたとして、ED治療薬に対する誤ったイメージが広まったことがありますが、腹上死の原因のほとんどは心筋梗塞であり、もともと心臓に基礎疾患をもっていた人がほとんどであると考えられます。腹上死とED治療薬との関連性は認められていません。

バイアグラをはじめとするED治療薬を服用している・いないに関わらず、心臓病がある方や極度の動脈硬化がある場合には、飲酒・性交時の相手や環境・興奮度合・運動の程度など複合的な要因によって心筋梗塞や狭心症発作が起こることがあります。 薬で性機能が改善しても、無理をしすぎず、パートナーと穏やかに行為を楽しむことが大切といえるでしょう。

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