バイアグラを飲んではいけない人
ED治療薬3剤の違い
3剤の違い シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
AGAとは プロペシア ザガーロ ミノタブの危険性 AGA治療薬2剤の違い
2剤の違い フィナステリド デュタステリド オンライン診療
浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
更新日:
- バイアグラの成分に対して過敏症の既往歴のある患者
【01.の理由】 - 硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の患者
詳細はこちら → バイアグラの併用禁忌薬
【02.の理由】 - 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者
【03.の理由】 - 重度の肝機能障害のある患者
【04.の理由】 - 低血圧の患者(最大血圧90mmHg未満または最小血圧が50mmHg未満)又は治療による管理がなされていない高血圧の患者(安静時収縮期血圧170mmHg以上、又は最小血圧が100mmHg以上)
【05.の理由】 - 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある患者
【06.の理由】 - 網膜色質変性症(進行性の夜盲症)と診断された患者
【07.の理由】 - 塩酸アミオダロン(経口剤)を投与中の患者
【08.の理由】 - 未成年の患者(ただし既婚者を除く)
【09.の理由】
特に硝酸薬(内服薬・舌下錠・貼付薬・注射薬・スプレー/吸入剤など)を使用している方は、バイアグラ(シルデナフィル)を決して服用しないでください。
代表例として、狭心症発作の治療で処方されることの多いニトログリセリンを「飲んでいる」「舌下で使用している」「貼り薬を貼っている」「スプレー/吸入で使用している」
といった場合、バイアグラと併用すると血圧が危険なレベルまで低下し、命に関わる可能性があります。
そのため、硝酸薬を使用中の方は絶対にバイアグラを服用しないでください。
また、硝酸薬が含まれていないかを安全に確認するために、現在服用中(使用中)のお薬がある方は、来院時に薬の名前が分かるもの(お薬手帳・処方内容が分かる書類・薬剤そのもの等)を必ずお持ちください。
前述にて禁忌の詳細を9つ記してあります。以下は各々の禁忌の理由をバイアグラのインタビューフォームより抜粋して説明しています。禁忌の理由までお知りになりたい方は参考にしてください。
01.の理由
国内の臨床試験では「かゆみ」「眼瞼そう痒感」「発疹」が、また海外の臨床試験では因果関係があると判断された「発疹」が報告されており、いずれも過敏反応の関与が否定できない副作用症状とされています。
なお、本剤には有効成分であるシルデナフィルクエン酸塩のほか、添加物として乳糖水和物や青色2号なども含まれます。そのため、有効成分・添加物を問わず、いずれかの成分に対して過敏症の既往歴がある場合は禁忌となります。
02.の理由
本剤は、サイクリックGMP(cGMP)に特異的なホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害する薬剤です。
PDE5が存在する血管平滑筋では、一酸化窒素(NO)による血管拡張(弛緩)作用がcGMPを介して起こりますが、本剤はその反応を増強することが確認されています。
そのため、硝酸剤またはその他の一酸化窒素(NO)供与剤と併用すると、血圧低下が過度に増強され、場合によっては死亡事故につながる可能性があります。
03.の理由
性行為に伴い、心拍数・血圧・心筋酸素消費量が増加することが知られています。
そのため本剤の臨床試験では、例えば過去6ヵ月以内に心不全、不安定狭心症、生命に危険のある不整脈を発症した患者は対象として不適当と判断され、試験から除外されています。
以上より、心血管系障害を有するなど性行為自体が不適当と考えられる患者には、本剤は禁忌となります。
04.の理由
肝硬変患者12例(Child-Pugh分類A:7例、B:5例)および健康成人男性12例(外国人)を対象に、本剤50mgを単回経口投与した試験では、肝機能障害患者における有効成分シルデナフィルのCmaxとAUCの平均値が、健康成人と比べてそれぞれ約47%・約85%増加し、クリアランスは46%低下しました。
本剤は主として肝臓で代謝され、糞中へ排泄されるため、肝硬変など重度の肝機能障害がある場合には排泄が遅れ、血漿中濃度が上昇する可能性があります。
このため、臨床試験ではこれらの患者が除外対象とされており、したがって重度の肝機能障害のある患者には禁忌となります。
05.の理由
本剤は、全身の血管平滑筋に存在するホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)を阻害することで、血管拡張作用を示す可能性があります。
健康成人男性に本剤10~150mgを単回投与した第Ⅰ相試験でも、有意差は明確ではないものの、収縮期・拡張期血圧の低下が認められました。
このため、血圧90/50mmHg未満の低血圧患者は臨床試験で除外対象とされています。
また、国内の臨床試験では悪性高血圧の既往を有する患者が、海外の臨床試験では悪性高血圧のある患者に加え、安静時収縮期血圧が170mmHgを超える、または拡張期血圧が100mmHgを超える高血圧症患者が対象から除外されました。
以上より、これらの患者には禁忌となります。
(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg~50mgです。)
06.の理由
脳血管障害後の患者では、血圧変動に対して脳循環を一定に保つ自動調節能が低下していることがあり、血圧の低下が脳循環の低下につながる可能性が指摘されています。
本剤は全身の血管拡張作用により軽度の血圧低下を起こす可能性があるため、臨床試験では過去6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血の既往がある患者は対象から除外されています。
また、心筋梗塞後の患者では性行為そのものが心臓に負担となり、一定のリスクを伴うことがあるため、臨床試験においても心筋梗塞の既往を有する患者は対象として不適当と判断され、除外対象となっています。
以上より、脳梗塞・脳出血、または心筋梗塞の既往が最近6ヵ月以内にある患者には禁忌となります。
07.の理由
網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)は、学齢期に夜盲で発症し、視野狭窄や視力低下が徐々に進行して、失明に至ることもある両眼性の遺伝性網膜疾患です。 本症は網膜視細胞の変性が緩徐に進む病態で、初期は杆体、進行すると錐体も障害されることがあります。 原因となる遺伝子異常は多様で、その一部ではホスホジエステラーゼタイプ6(PDE6)のβサブユニット遺伝子異常が関与することが知られています。 遺伝形式は一定ではなく、常染色体劣性遺伝が多いとされる一方、優性遺伝や伴性遺伝なども報告されています。
網膜視細胞にはPDE6が分布しており、本剤は陰茎海綿体のPDE5に対する阻害作用に比べて約1/10の効力でPDE6の活性も阻害することが認められています。
このため、網膜色素変性症の患者は臨床試験で除外対象とされています。
したがって網膜色素変性症の患者には禁忌となります。
08.の理由
同類薬であるバルデナフィルと塩酸アミオダロンの併用により、QTc延長作用が増強するおそれがあることが報告されています。 本剤(シルデナフィル)と塩酸アミオダロンの併用でQTc延長が認められたという報告は現時点ではありませんが、本剤もバルデナフィルと同じPDE5阻害薬であることから、バルデナフィルで認められた心臓再分極への影響が本剤でも同様に起こる可能性を完全には否定できません。
また、アンカロン錠(塩酸アミオダロン経口剤)の添付文書では、すでに本剤およびバルデナフィルとの併用が禁忌とされています。
以上を踏まえ、本剤においても塩酸アミオダロン(経口剤)との併用を「禁忌」として記載し、注意喚起することとしました。
09.の理由
臨床試験は20歳以上を対象に実施されており、未成年に対する安全性は確立していないためです。