不整脈とED【勃起不全】
目次※知りたい情報をクリック
浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
心臓の拍動のリズムが乱れてしまった場合を「不整脈」と言います。心臓は、休みなく収縮を繰り返し、その力を使って全身に血液を送り届けています。この心臓の拍動は、右心房付近にある洞結節から送られてくる電気信号によってコントロールしています。つまり、洞結節はペースメーカーの働きをしています。
このペースメーカーの働きをしている洞結節から送られる電気信号が多くなったり(頻脈)、少なくなったりする(徐脈)場合や心臓の他の部分から電気信号が発生した場合、また洞結節から発生した電気信号が正常に伝達されない場合などに心臓の拍動が乱れ、不整脈が起こります。不整脈は、健常者でも起こり、不整脈=体の異常というわけではありませんが、運動をしたり緊張したりしていないのに、突然1分間の脈拍が150を超える場合や、40を下回る場合には、十分な検査が必要です。
不整脈の有無を調べるには健康診断などでもよく使われる心電図を用います。不整脈の症状がある場合には心電図の波形にはっきりとしたパターンが現れます。
1万円以上で送料無料。来院歴が無くてもOK。
即日配送。国内正規品のみ。土日も発送。
危険性の低い不整脈
不整脈には、症状が軽く治療を受ける必要のないものもあります。発熱時や飲酒後などに頻脈になることは、健康な人でも起こることなので心配する必要はありません。もちろん、気になるようでしたら、念のため循環器内科のある病院で診察を受けましょう。
心室細動
一方で、命に係わる危険な不整脈もあります。最も恐ろしいのは「心室細動」です。場合によっては、突然死してしまう危険性すらあります。心室細動が起こると心臓全体が痙攣し、血液を全く送り出すことができなくなり、発症から2~3分で脳の血流が途絶え、死に至るおそれがあります。迅速に電気ショックを与えて痙攣を止める処置(除細動)をする必要があります。
最近では、様々なところにおいてある AED は、自動体外式除細動器ことで、心筋梗塞などから心室細動になった人にすぐ処置ができるよう一般市民も使えるように普及したものです。
心室頻拍
心室が突然興奮し、脈拍が非常に速くなる状態が30秒以上続いた場合を「持続性心室頻拍」と言います。この症状が持続すると心室細動を起こし、突然死する危険性もあります。カテーテルアブレーション治療を用いると根治の可能性が高いため、治療方法として採用されるケースが増えてきています。
心房細動
不整脈の中でも、多くみられるのが「心房細動」で、年を取るほどリスクが高くなります。80歳以上では、10人に1人に心房細動があると言われています。これが起こると、心房内の様々な箇所で興奮が起こり、心房の収縮は1分間に300~500回と痙攣した状態になります。しかしこの痙攣はすべて心室に伝わるわけではなく、心臓全体では、1分間に60-200回と不規則に動き、脈はばらばらとなります。数時間で治まることもありますが、数週間以上続く持続性のものもあります。
心房細動で最も怖いのは、心臓の内部に血液が溜まり、血栓ができやすくなってしまうことです。この血栓が心臓から出ていくと、非常に危険です。脳の動脈に詰まれば脳梗塞を、心臓の周りを走る冠動脈に詰まれば心筋梗塞を引き起こしてしまいます。心房細動は自覚症状が出ないこともあり、脳梗塞によって入院した際の検査で、心房細動が発覚することもあります。治療には、ワーファリンなどの抗凝固薬剤を用いることが多いのですが、再発を繰り返す場合にはカテーテルアブレーション治療を行う場合もあります。
心房粗動
心筋症や心房弁膜症などの疾患を持つ人や高血圧による心肥大がある方に多くみられる不整脈が、心房粗動です。上述した心房細動と非常に似た症状で、心房の震えの回数や規則性の有無を除いて、ほとんど同じ症状と考えることができます。
発作性上室頻拍
突然心拍数が高まり、自覚症状でも脈が速くなるのが分かるが「発作性上室頻拍」です。1分間に160から220回くらいに突然脈拍が速くなり、突然元に戻るのが特徴です。寝不足、疲れ、お酒の飲みすぎ、ストレスが引き金となることもありますが、特に誘引がないこともあります。
心房性期外収縮・心室性期外収縮
不整脈の中でもっとも多いのが、期外収縮です。30歳以上では、ほとんどの方で見られます。普段電気信号を送っている洞結節とは別のところから、電気が流れることで起こります。この期外収縮は、病気とは関係ないことが多いですが、心筋梗塞などの命に関わる病気によって、起こっていることもありますので、原因となる病気がないかや危険な不整脈につながらないか検査しておくと安心です。
洞不全症候群
心房などに電気信号を送る洞結節の異常によって引き起こされる症状です。電気信号が減少した結果起こる「洞性徐脈」、電気信号が発生しなくなったり、心房に伝わらなかったりすることによって起きる「洞停止・洞房ブロック」などがあります。また、両方をあわせ持つ「徐脈頻脈症候群」というものもあります。症状としては、めまいや息切れなどが主なものですが、失神してしまうこともあります。
不整脈は、過労、過度の飲酒、ストレス、睡眠不足などによって引き起こされることもあります。生活習慣を正し、健康に生活することが何よりの予防策になります。健康な状態でも不整脈が起こることはありますが、医師の診断を受けて問題なしとされた場合はあまり気にする必要はありません。
ただし、発作の回数が増えてくるなど悪化していく兆候がみられた場合は、心筋に負担がかかり、より危険な不整脈を引き起こす場合があります。定期的に心電図による検査を受け、異常が無いかチェックすることをおすすめします。
多くの場合不整脈があるからといって性行為を禁止されるわけではありませんが、性行為も運動のひとつですので、主治医より運動制限されている場合などには注意が必要です。通常の性行為の運動量は、ビルの1階~3階まで階段で早歩きで上がる程度とされています。運動制限がある方は主治医に確認を必ず取りましょう。