シルデナフィルとは
ED治療薬3剤の違い
3剤の違い シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
AGAとは プロペシア ザガーロ ミノタブの危険性 AGA治療薬2剤の違い
2剤の違い フィナステリド デュタステリド 電話によるオンライン診療
オンライン診療
目次※知りたい情報をクリック
浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
シルデナフィルは、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)*¹阻害薬です。国内では勃起不全(ED)治療薬のバイアグラ錠とバイアグラODフィルム、肺動脈性肺高血圧症治療薬のレバチオ錠とレバチオODフィルムとレバチオ懸濁用ドライシロップの有効成分として含有しています。これら製品の一般名はいずれもシルデナフィルクエン酸塩です。製造販売元は、いずれも2021年9月にファイザーからヴィアトリス製薬に移管されています。
タダラフィルやデュタステリドと同じように同一の有効成分で異なる効果効能で厚生労働省に承認を得ている特殊な成分です。
勃起不全治療薬バイアグラ
作用機序
勃起は、男性が性的刺激を受けることで脳の中枢神経が興奮し、脊髄神経を通り陰茎に伝達されと一酸化窒素(NO)が放出され局部の細胞内にサイクリックGMP(cGMP)という血管拡張物質が増幅し、陰茎海綿体の平滑筋が緩み海綿体へ通常よりも多く血液が多く流れることで起きます。その後、増幅されたcGMPをPDE-5(ホスホジエステラーゼ-5)という酵素が分解することで海綿体の血管が収縮し勃起が収まります。シルデナフィルは勃起維持に必要不可欠なcGMPを分解するPDE-5を阻害する作用があるのでするので勃起補助効果があるのです。
バイアグラ錠25mg
1錠中にシルデナフィルクエン酸塩35.12mg(シルデナフィルとして25mg)
バイアグラ錠50mg
1錠中にシルデナフィルクエン酸塩70.23mg(シルデナフィルとして50mg)
ジェネリック
既に国内では特許満了を迎え、9社から正規ジェネリック医薬品としてシルデナフィル錠が発売されています。
バイアグラODフィルム25mg
1フィルム中にシルデナフィルクエン酸塩35.12mg(シルデナフィルとして25mg)
バイアグラODフィルム50mg
1フィルム中にシルデナフィルクエン酸塩70.23mg(シルデナフィルとして50mg)
ジェネリック
国内ではフィルムタイプのバイアグラジェネリックは発売されていない。肺動脈性肺高血圧症治療薬レバチオ
作用機序
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、心臓から肺に血液を送るための血管(肺動脈)の血圧が極端に上昇する難治性呼吸器疾患(指定難病)の疾患です。肺の細い血管(肺動脈末梢の小動脈内腔)が「血管攣縮」「血栓」「器質性狭窄」のいずれかにより血液が通りにくくなった結果、心臓は細くなった血管に血液を流すために頑張るため肺動脈の血圧が高くなります。この疾患は、肺への血液循環が悪くなるため肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ってしまうため少しの運動で息苦しくなったり、疲れやすくなったり、失神する等の症状がみられます。また肺へ血液を送り出す右心室に負荷がかかるため右心肥大、心不全(右心不全)の合併症を伴います。
シルデナフィルは、肺動脈の平滑筋に多く分布するPDE5の阻害作用をし、肺動脈平滑筋細胞内のcGMP濃度を上昇させ、肺動脈平滑筋が弛緩することで血液の流れが良くなるためため、肺への血液循環を改善させる効果があります。
ジェネリック
以下、3製剤ともジェネリックは発売されていない。
レバチオ錠
レバチオ錠25mg
1錠中にシルデナフィルクエン酸塩28.09mg(シルデナフィルとして20mg)
レバチオODフィルム
レバチオODフィルム20mg
1錠中にシルデナフィルクエン酸塩28.09mg(シルデナフィルとして20mg)
レバチオ懸濁用ドライシロップ
レバチオ懸濁用ドライシロップ900mg
1瓶中にシルデナフィルクエン酸塩1264mg(シルデナフィルとして900mg)
薬 剤 名 |
バイアグラ錠 バイアグラODフィルム |
レバチオ錠 レバチオODフィルム |
レバチオ懸濁用シロップ | ||
---|---|---|---|---|---|
成分 | シルデナフィル | ||||
製造販売元 | ヴィアトリス製薬株式会社 | ||||
効果 ・効能 |
勃起不全(ED) | 肺動脈性肺高血圧症 | |||
剤形 画像 |
|
|
|
||
含 量 性 状 ・ 剤 形 |
錠剤 | フィルム | 錠剤 | フィルム | シロップ |
25/50mg | 25/50mg | 20mg | 20mg | 900mg | |
青色 | うすい赤色 | 白色 | うすい赤色 | 赤色の粒子を含む白色 | |
フィルムコート錠 | 口腔内崩壊フィルム | フィルムコート錠 | 口腔内崩壊フィルム | 懸濁して用いるシロップ剤 | |
製品 画像 |
|
|
|
||
添加物 錠剤 |
結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン、青色2号(バイアグラ錠のみ) | ||||
添加物 フィルム |
クロスポビドン、スクラロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、マクロゴール400、酸化チタン、三二酸化鉄、lメントール、香料(レバチオフィルムのみ) | ||||
添加物 シロップ |
D‒ソルビトール、無水クエン酸、スクラロース、クエン酸ナトリウム水和物、キサンタンガム、酸化チタン、安息香酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、香料 | ||||
薬価 | 錠剤 25mg 914.6円 50mg 1214.8円 |
フィルム 25mg 974.6円 50mg 1404.1円 |
742.2円 | 742.2円 | 625.6円 /mL |
承認日 | 1999年 /1/25 |
2016年 /9/1 |
2008年 /1/25 |
2017年 /9/27 |
|
発売年月日 | 1999年 /3/23 |
2016年 /10/21 |
2008年 /4/18 |
2018年 /1/29 |
|
ジェネリック | 9社から発売 | 国内未発売 | |||
ドーピング 剤リスト |
2024年度禁止表国際基準に掲載無し つまり、服用していてもドーピング検査で引っかかることはない |
||||
併 用 禁 忌 薬 |
硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アルミ、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)・アミオダロン塩酸塩(アンカロン)・sGC刺激剤(リオシグアト:アデムパス)・グレープフルーツ リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)、ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プレジコビックス)、イトラコナゾール(イトリゾール)、コビシスタット含有製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス)、抗 SARS-CoV-2剤(エンシトレルビル:ゾコーバ)、抗ウィルス薬(ニルマトレルビル・リトナビル:パキロビッド) ※ピンク文字はレバチオのみ禁忌 |
||||
服 用 禁 忌 |
※青文字は【バイアグラは禁忌】【レバチオは禁忌でなく注意】 |
||||
用 法 ・ 用 量 |
通常、成人には1日1回シルデナフィルとして25mg~50mgを性行為の約1時間前に経口投与する。 | 【成人】通常、シルデナフィルとして1回20mgを1日3回経口投与する。 【1歳以上の小児】体重20kg超の場合:通常、シルデナフィルとして1回20mgを1日3回経口投与する。 |
【成人】通常、シルデナフィルとして1回20mgを1日3回経口投与する。 【1歳以上の小児】体重8kg以上20kg以下の場合:通常、シルデナフィルとして1回10mgを1日3回経口投与する。 体重20kg超の場合:通常、シルデナフィルとして1回20mgを1日3回経口投与する。 |
||
添付文書 |
|
|
|||
インタビューフォーム |
|
|
|||
くすりのしおり | バイアグラ錠 | バイアグラODフィルム | レバチオ錠 | レバチオODフィルム | レバチオ懸濁用シロップ |