バイアグラの効果|臨床データより
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浜松町第一クリニック 竹越昭彦院長 監修
バイアグラの効果は、服用後約1時間で現れ、「勃起補助効果」が4~5時間程度持続します。性的興奮があるときのみに作用し、日本人では、81.0%の方にED改善効果があったと報告されています。また米国の3年間の試験では、91.7%の方が「バイアグラの効果に満足している」と回答されています。
※以下試験結果3と5を参照ください。
バイアグラは、毎日服用する必要はなく、性行為前の必要時に使用することで、1回目からその効果が得られます。空腹時に服用することが必須で、食事や性行為の時間とバイアグラの服用タイミングを上手に合わせることができるようになってくると、薬の成分がしっかりと吸収されるため、より効果が得られやすくなります。
バイアグラ(有効成分:シルデナフィル)は、1999年に日本国内で厚生労働省に認可されており、20年以上医薬品として使用されています。効果が実証されていないサプリメントや漢方薬と違い、バイアグラのED改善効果は非常に高い結果となっています。以下それぞれの有効性試験をデータと共に解説しておりますので、詳しくお知りになりたい方はご覧下さい。
まずは、日本人243名を対象に行われた、バイアグラ(シルデナフィル錠)の効果試験を行った結果を見ていきます。シルデナフィル25mg群 60名、シルデナフィル50mg群 58名、シルデナフィル100mg群 65名、プラセボ(有効成分の入っていない偽薬)60名によって試験されています。
試験概要
<対象者>機能性(心因性)、混合型及び器質性勃起不全患者
※陰茎に構造上の欠陥がある患者、他の性障害が主要診断である患者、脊髄損傷による勃起不全の患者、高プロラクチン血症又は遊離テストステロン低値の患者、コントロール困難な糖尿病患者、低血圧患者、悪性高血圧の既往がある患者等は本試験から除外。
<試験方法>シルデナフィル錠 25、50、100 mg 又はプラセボを性行為の約 1 時間前に必要時 8 週間服用と設定されています。
※服用は、1日1回限り
<有効性評価方法>「挿入の頻度」と「勃起の維持」の2つの質問により評価
【挿入の頻度】(問)ここ4週間、性交を試みた時、何回挿入することが出来ましたか? | ||
選択肢 | 目安回数 | 点数 |
---|---|---|
性交の試み 一度も無し | 0点 | |
全くなし又は ほとんどなし | 10回中1回以下 | 1点 |
たまに | 半分よりかなり 下回る回数: 10回中3回程度 | 2点 |
時々 | 10回中5回 | 3点 |
おおかた毎回 | 半分よりかなり 上回る回数: 10回中7回程度 | 4点 |
毎回又はほぼ毎回 | 10回中9回以上 | 5点 |
【勃起の維持】(問)ここ4週間、性交中に、挿入後何回勃起を維持することが出来ましたか? | ||
選択肢 | 目安回数 | 点数 |
---|---|---|
性交の試み 一度も無し | 0点 | |
全くなし又は ほとんどなし | 10回中1回以下 | 1点 |
たまに | 半分よりかなり 下回る回数: 10回中3回程度 | 2点 |
時々 | 10回中5回 | 3点 |
おおかた毎回 | 半分よりかなり 上回る回数: 10回中7回程度 | 4点 |
毎回又はほぼ毎回 | 10回中9回以上 | 5点 |
試験結果1【バイアグラの「挿入できない方」への効果(日本人・243例)】
バイアグラを服用せずに性行為を行った場合には、243名の平均値で、10回中2.3回程度(1.65点)しか挿入できなかったが、バイアグラ25mg服用した群では、10回中6回程度(3.52点)挿入できたと回答(国内60名)、バイアグラ50mgを服用した群では、10回中6.6回程度(3.82点)挿入できたと回答(国内58名)されています。服用前は挿入成功率23%しかなかったのに対して、バイアグラ25mg服用後の成功率は60%、バイアグラ50mg服用後の成功率は66%、と挿入成功率が大幅に増加しています。また、バイアグラ100mg(日本国内未承認)を服用した後では、10回中6.6回程度(3.80点)挿入できたと回答(国内65名)されていますが、バイアグラ50mgと100mgで、挿入成功についての差はありませんでした。※プラセボ(偽薬)では、10回中3.3回程度(2.17点)(国内60名)。
試験結果2【バイアグラの「中折れ」への効果(日本人・243例)】
試験結果1では、挿入の成功回数の改善が確認されていますが、挿入後に勃起が維持できない「中折れ」への効果についても試験されています。
勃起が維持出来た割合についての結果を見ていきます。
バイアグラを服用せずに性行為を行った場合には、243名の平均値で、10回中1.6回程度(1.30点)しか勃起を維持できなかったが、バイアグラ25mg服用した群では、10回中5回程度(2.97点)「勃起が維持できた」と回答(国内60名)、バイアグラ50mgを服用した群では、10回中6回程度(3.53点)が「勃起を維持できた」と回答(国内58名)されています。服用前は「勃起維持率」16%しかなかったのに対して、バイアグラ25mg服用後の勃起維持率は50%、バイアグラ50mg服用後の勃起維持率は60%、と「勃起を維持できた回数」がかなり増加しています。また、バイアグラ100mg(国内未承認)を服用した後では、10回中6.2回程度(3.60点)勃起を維持できたと回答(国内65名)されていますが、バイアグラ50mgと100mgで、「勃起維持率」も「挿入成功率」と同様に差はありませんでした。※プラセボ(偽薬)では、10回中2.4回程度(1.72点)(国内60名)。
試験結果3【ED最終全般改善度】
質問票を参考にした治験担当医師による最終全般改善度の評価も合わせて実施されており、改善を示した割合(著明改善・改善・やや改善)は、バイアグラ25mgでは80%、バイアグラ50mgでは81%と、かなり高い割合で効果を実感している結果となっています。プラセボ(有効成分の入っていない偽薬)では25%で、バイアグラの高い効果が認められています。 参考までに、バイアグラ100mg(日本国内未承認)では84.6%で改善(著明改善・改善・やや改善)と評価されています。
最終全般改善度(医師による評価) | ||||
プラセボ | バイアグラ 25mg | バイアグラ 50mg | バイアグラ 100mg(未承認) | |
---|---|---|---|---|
著明改善 | 4 | 22 | 26 | 33 |
改善 | 5 | 13 | 16 | 14 |
やや改善 | 6 | 13 | 5 | 8 |
不変 | 43 | 12 | 11 | 10 |
悪化 | 1 | 0 | 0 | 0 |
判定不能 | 1 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 60 | 60 | 58 | 65 |
やや改善 以上 | 15 (25.0%) | 48 (80.0%) | 47 (81.0%) | 55 (84.6%) |
当院解説
日本人のバイアグラ(シルデナフィル)効果試験で、バイアグラ25mg、50mg共に挿入できるだけの十分の硬さにならない重度のED患者の方でも、挿入の成功割合が上昇しています。
また、挿入後に勃起が維持出来ずに途中で萎えてしまう軽度~中度のED症状である「中折れ」も大幅に改善しておりますが、2ヵ月間の短期試験のため、しばらくバイアグラを使用して性行為を重ねることで、バイアグラの服用タイミングに慣れてくると、更に効果が得られやすくなりますので、以下海外での長期服用試験もご参照ください。
ファイザー社バイアグラインタビューフォーム22-23ページ目を参照に、分かりやすく当院にて改変しております。
欧州(英国・フランス・スウェーデン)において、52週間(4年4ヵ月)の長期服用試験が実施されています。有効性試験の対象人数は、292人でした。
試験概要
<対象者>18~70歳の勃起不全患者
※重度の血液、腎、肝障害を有する患者、低血圧(90/50mmHg以下)の患者、高血圧(170/100mmHgを超える)の患者は本試験から除外。
<試験方法>シルデナフィル10~100 mg を性行為の約 1 時間前に必要時 52 週間服用と設定されています。
※服用は、1日1回限り
<有効性評価方法>患者への質問(勃起を改善したか、継続投与を希望するか)に対する回答
試験結果4【勃起の改善】
バイアグラ(シルデナフィル)服用後、全症例の87.7%(292人中256人)に勃起機能改善が認められ、試験終了後も、90.5%(294人中266人)がバイアグラ(シルデナフィル)の服用継続を希望しました。
※投与継続希望者のデータは、10mg服用者1名と250mg服用者1名が含まれているため、対象者が2名多くなっています。
試験結果5【勃起力がどのように改善されたか】
バイアグラ(シルデナフィル)を継続して服用したいと回答した方の理由は、「勃起時の陰茎の硬さが増すため」が77%、「勃起持続時間が長くなるため」が62%、「勃起回数が増大するため」が52%でした。
当院解説
治験終了後も90.5%の方が、バイアグラの服用継続を希望しており、「勃起時の陰茎の硬さが増す」が一番多い回答でしたが、「勃起持続時間が長くなる」「勃起の回数が増加する」との回答割合も多く、現状のご自身の勃起機能に満足されていない方は、服用を試されてみるといいでしょう。
ファイザー社バイアグラインタビューフォーム28-29ページ目を参照に、分かりやすく当院にて改変しております。
米国において、36週間(3年)の長期服用試験が実施されています。有効性試験の対象人数は、264人でした。
試験概要
<対象者>勃起不全患者
※シルデナフィルで認容性がない(副作用が耐えられないほど強くでた)方、勃起不全に対して他の治療を受けている方、色素性網膜炎の既往歴がある方は除外。
<試験方法>シルデナフィルを25mgから始めて服用量を増やしていく(25mg→50mg→100mg)もしくは、100mgから始めて服用量を減らしていく(100mg→50mg→25mg)し、性行為の約1時間前に必要時に3年間(36週間)服用する。
※服用は、1日1回限り
<有効性評価方法>患者への質問(勃起効果に満足したか)に対する回答
試験結果6【勃起の改善】
バイアグラ(シルデナフィル)服用後、全症例の91.7%(264名中242名)が薬の勃起効果に満足していると回答されています。また満足度は、用量と服用継続日数に合わせて増大したと報告されています。
当院解説
バイアグラの3年間の長期服用試験では、満足度が91.7%と非常に高く、3ヵ月程度の継続服用(必要時)と比較すると、長期服用の方が効果が高まっています。多くの方では1回目の服用から効果を体感できますが、数回服用して効果を感じられなかった場合でも、バイアグラを必要時に継続して服用することで、正しいタイミングでバイアグラを服用出来るようになり、効果が得られやすくなる結果となっていますので、数年単位でしっかりと性行為時にED治療薬を服用するとよいでしょう。
ファイザー社バイアグラインタビューフォーム29-30ページ目を参照に、分かりやすく当院にて改変しております。
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